不動産売却で住民税が上がる理由とは?翌年の負担と計算方法・節税対策を徹底解説
2026/05/26
不動産売却で住民税が上がる理由とは?翌年の負担と計算方法・節税対策を徹底解説

不動産を売却したとき、多くの方が気になるのが「翌年の住民税はどうなるの?」という疑問です。
実は、不動産売却で利益が出ると、その譲渡所得に対して住民税が課税され、翌年の税負担が大幅に増加する可能性があります。
「売却後に予想以上の住民税通知が届いてびっくりした」という声もよく聞かれます。
ここでは、不動産売却時の住民税の仕組みから具体的な計算方法、納付時期、そして税負担を抑えるための対策まで、わかりやすくご紹介します。
事前に正しい知識を身につけることで、予期せぬ税負担に慌てることなく、計画的な不動産売却を進めることができるでしょう。

1. 不動産売却で住民税が上がる仕組み
不動産を売却する際には、その取引によって得た利益に対して税金が課せられます。
その中には「住民税」も含まれており、この税金は売却した年の次年度に影響を及ぼします。
◆ 不動産売却益と課税の関係
不動産の売却益は、売却金額から購入時の費用や譲渡にかかる経費を差し引いた金額で決まります。
譲渡所得が発生する際に、どのように譲渡所得税がかかり、同時に住民税が算出されるのかを理解しておくことが大切です。
- ・売却金額:実際に売却した不動産の価格
- ・取得費:不動産の購入にかかった総コスト
- ・譲渡費用:売却に関連する費用(例:仲介手数料など)
この計算式を用いて譲渡所得が求められ、それに基づいて住民税が発生することになります。
◆ 住民税の計算方法
住民税は、前年の総所得金額を基準にして決まります。
したがって、不動産の売却によって得た利益は翌年の住民税に直結します。
特に譲渡所得が高額になる場合、税金の負担が増すことが予想されるため注意が必要です。
① 譲渡所得を算出する
② 譲渡所得に適用される税率を確認する
|長期譲渡所得(所有期間が5年を超過した場合)
税率は15% + 復興特別所得税 + 住民税5% - 短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合):税率は30% + 復興特別所得税 + 住民税9%
このように不動産の所有期間によって適用される税率が異なるため、売却のタイミングも重要なポイントとなります。
◆ 住民税が上がるタイミング
不動産を売却した結果、住民税が上昇するのは翌年からです。
特に譲渡所得が大きくなる年に売却すると、その年の所得が翌年の住民税に大きく反映されることになります。
例えば、退職を迎えた年など、收入が一時的に増える年に不動産を売却すると、住民税が通常よりも増える可能性があります。
これらの要因を考慮することで、不動産売却の計画を慎重に進めることが可能です。
住民税の負担を軽減するためには、適切なタイミングでの売却や、利用できる控除や特例を活用することが求められます。
2. 不動産売却後の住民税はいくら?
不動産を手放す際には、その取引によって得られる譲渡所得が見込まれ、それに伴い住民税が課税される可能性があります。
◆ 住民税の計算方法
住民税額 = {不動産の売却金額 - (取得費 - 減価償却費) - 譲渡費用} × 税率
不動産の売却金額: 売買契約に記載された金額を指します。
取得費: 不動産購入時の価格、及び関連する諸経費を含んでいます。
減価償却費: 所有している不動産に対する減価償却額です。
譲渡費用: 売却過程で発生した費用(仲介手数料や印紙代など)を示します。
税率: 所有期間によって異なり、長期譲渡所得には5%、短期譲渡所得には9%が適用されます。
|シミュレーション例
- 不動産の売却金額:3,680万円
- 取得費:3,000万円(諸経費込み)
- 減価償却費:816万円
- 譲渡費用:129万円
- 保有期間:15年(長期譲渡所得の場合の税率は5%)
これらの条件をもとに、計算を進めていきましょう。
① 譲渡所得の計算
譲渡所得 = 3,680万円 -(3,000万円-816万円) -129万円 -譲渡所得 = 3,680万円 -2,184万円 = 1,496万円
② 住民税額の算出
住民税額 = 1,496万円 × 5% = 74万8,000円
このシミュレーションを通じて、具体的な「不動産売却後の住民税」をわかりやすくなりました。
◆ 簡易シミュレーションのポイント
- ・自分の不動産の保有期間を確認し、それに応じた税率を適用することが大切です。
- ・取得費や譲渡費用を正確に把握することが必要です。
- ・他の控除や特例を考慮することで、税負担を軽減できる可能性があります。
このように、事前に計算を行うことで、予想外の住民税の負担を避けることができます。譲渡所得の正確な算出と、税金に関する対策を考えることが大切です。
3. 住民税の納付時期と支払い方法
不動産を売却した際の住民税の支払いは非常に大切な手続きです。
納付のタイミングや支払い方法を正確に把握することで、手続きをスムーズに進めることができます。
◆ 住民税の支払い方法と時期
住民税の支払い方法には、「普通徴収」と「特別徴収」のふたつがあります。
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普通徴収の場合 |
特別徴収の場合 |
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普通徴収の場合は、納税通知書が届いた後に自分自身で住民税を支払う必要があります。 |
特別徴収は、会社員や給与所得者にとって非常に便利な方法です。 この手続きでは、住民税の負担を軽減することができます。 |
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支払い方法 |
モバイルバンキングや、自治体によってはクレジットカードを使ったオンライン支払い |
毎月の給与から自動で住民税が差し引かれ、その額を事業主が市区町村に納付します。 |
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納付期限 |
納付期限は通常、以下の4回に分かれています。
この支払い方法は、特に個人事業主や給与以外の収入がある方に適していると言えます。 |
会社員などの場合、勤務先から毎月の給与から住民税が自動的に引かれ、6月から翌年の5月までの間に分割納付されます。 |
この方法を利用すると、自分の収入や住民税の額が勤務先に知られることになる可能性があります。
税金に関する情報を他に知られたくない場合は、普通徴収の選択肢を検討する価値があります。
住民税の納付時期とその支払い方法についてしっかりと理解することで、安心して納税を行うことができるでしょう。

4. 住民税を抑えるために使える控除・特例
不動産の売却に際して負担となる住民税を軽減するためには、さまざまな控除や特例を上手に活用することが大切です。
◆ マイホーム特別控除
居住用不動産を売却する場合、最大3,000万円の特別控除が適用される場合があります。
この特別控除は譲渡所得から直接差し引かれるため、税負担の大幅な軽減が期待できます。
特に、マイホームの売却が前提であり、特定の要件を満たしていることが大切です。
◆ 軽減税率の特例
10年以上所有していたマイホームを売却する場合には、譲渡所得税に対する軽減税率が適用されます。
この特例を利用することで、譲渡所得が6,000万円以下の部分において住民税が4%に引き下げられるため、結果的に税負担を大幅に軽減することができます。
◆ 購入特例
不動産を売却した後で新しいマイホームを購入する場合は、居住用財産の買換え特例を利用できます。
この特例によって、売却した不動産の譲渡所得は新しい住宅を売却するまで課税されないため、資金繰りにおいてとても有利です。
◆ 譲渡損失の損益通算
もしも住宅ローンを残したまま不動産を売却し、譲渡損失が発生した場合、他の所得との損益通算が可能です。
この特例を利用することで、給与所得や事業所得と通算でき、その結果、住民税や所得税の負担を軽減できます。
さらに、通算しきれなかった損失については、最大3年間の繰越控除も選択肢として考えられます。
◆ 特定居住用財産の譲渡損失の特例
居住用不動産を売却して譲渡損失が生じた場合には、特定の条件をクリアすれば、他の所得との損益通算が可能となる特例があります。
この特例を利用することで住民税の負担を軽減できますので、早めに適切な対策を取ることが求められます。
これらの控除や特例を効果的に使うためには、事前に条件を慎重に確認し、確定申告をきちんと行うことが大切です。
税金の負担を軽減し、不動産売却をスムーズに進めるために、適切な選択を心掛けましょう。
5. 不動産売却で住民税を上げないための3つの対策
不動産を売却する際には、住民税を軽減するための対策を講じることが大切です。
① 控除や特例を適切に利用する
不動産売却から生じる譲渡所得には、さまざまな控除や特例が適用されるため、これを上手に活用することが大切です。
|居住用財産の3,000万円控除
自宅を売却する場合、譲渡所得の最大3,000万円が控除される特例があります。この特例は所有期間に関係なく適用されるため、大きな税負担の軽減が見込まれます。
|取得費および譲渡費用の正確な記載
不動産を取得する際の費用や売却時の経費(仲介手数料や印紙税など)をきちんと計上することで、譲渡所得を少なくすることができ、結果として住民税の負担を軽減することが可能です。
② ふるさと納税の活用
ふるさと納税を行うことで、税負担を減少させる手助けとなることがあります。
|寄付金控除の活用
特定の自治体に寄付することで、寄付金から自己負担額の2,000円を除いた全額が住民税から控除されます。売却によって所得が増えることで寄付の上限も増加し、より多くの控除を受けることができるチャンスが広がります。
③ 売却のタイミングを見極める
不動産を売却する時期を慎重に選ぶことで、住民税の負担を軽減することが可能です。
|所有期間による税率の違い
譲渡所得税は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間によって異なり、所有期間が5年以下の場合、適用される税率は高くなります。
そのため、5年を超えて所有している不動産を売却するタイミングを選ぶことが賢明です。
|居住用不動産の売却時期
自宅を売却する時には特に「居住用財産3,000万円控除の特例」を適用することが大切です。
住まなくなった日から3年以内に売却する必要があるため、引っ越しのタイミングに合わせて戦略的に計画することが求められます。
これらの対策を講じることで、不動産の売却に伴う住民税が増加するのを防ぐことが可能です。
計画を立てて、適切な知識を活かすことが、税負担を軽減するためのポイントとなります。
まとめ
不動産の売却に伴う住民税の増加は、多くの方にとって予想外の負担となることがあります。
しかし、ここでご紹介した通り、住民税の仕組みを正確に理解し、適切な対策を講じることで、その負担を大幅に軽減することは十分可能です。
マイホーム特別控除や軽減税率の特例といった制度を活用し、売却のタイミングを慎重に検討することが大切です。
また、取得費や譲渡費用を正確に把握し、確定申告をきちんと行うことも欠かせません。
不動産売却は人生における大きな決断のため、税理士や不動産仲介業者など専門家のアドバイスを受けながら、計画的に進めることをおすすめします。
これらの知識と対策を駆使することで、安心して不動産売却に臨むことができるでしょう。

よくある質問
Q1:不動産を売却した場合、住民税はいつから支払う必要がありますか?
不動産を売却した翌年から支払う必要があります。例えば2024年に売却した場合、2025年に納付書が送付されます。
普通徴収の場合は6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて支払うか、6月中に一括払いも可能です。
Q2:長期譲渡所得と短期譲渡所得で住民税の税率は異なりますか?
住民税の税率は異なります。
長期譲渡所得は所有期間が5年を超えた場合で住民税率は5%、短期譲渡所得は所有期間が5年以下の場合で住民税率は9%です。
そのため、売却のタイミングは住民税の負担額に大きく影響します。
Q3:マイホームを売却する場合に利用できる特例はありますか?
マイホーム特別控除として最大3,000万円の控除が適用されます。
また、10年以上所有していた場合は軽減税率の特例により住民税が4%に引き下げられます。
さらに買い換える場合は居住用財産の買換え特例も利用できます。
Q4:譲渡損失が発生した場合、住民税を軽減することはできますか?
はい、可能です。譲渡損失が生じた場合、他の所得との損益通算が認められ、給与所得や事業所得と相殺することで住民税や所得税の負担を軽減できます。
また通算しきれなかった損失については最大3年間の繰越控除も選択肢となります。
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監修者情報
MK不動産株式会社
代表取締役 三上 大喜 詳しく見る





